こんにちは。たぐちです
少し前の話になるんですが、天理教の分派「ほんみち」を信仰している方の通夜とお葬式に行ってきました。天理教を含め、初めての経験だったので、結構カルチャーショック受けました。今回はその話をしたいと思います。
宗教自体をどうこう言う内容じゃですが、不快な方がいたらごめんなさい。
天理教とほんみち
その前に「ほんみち」がどんなものか知らない方もいると思うので、引用を混ぜながら私が知っている限りの説明をしておきます。
本家(というのも失礼かな?)の「天理教」と共通点が多いので、そちらの説明からしていきます。
そして私は新興宗教だろうが、古典宗教だろうが、「その宗教がどんなものなのか」「どういう考えなのか」を少しでも理解したいなと思っています。その人を知るうえで宗教はとても大事な要素だからです。
天理教
天理教とは:
天理教(てんりきょう)は、日本で江戸時代末に成立した新宗教の一つ。中山みきを教祖とする宗教団体である。狭義には奈良県天理市に本拠地を置く包括宗教法人(宗教法人天理教)およびその傘下の被包括宗教法人(教会本部及び一般教会)を指すが、広義には中山みきが伝えた教義そのものを指す場合があり、信仰する単立の宗教法人もある。本稿では、狭義の天理教を中心に述べる。
江戸時代末期に成立したということもあり、新興宗教の中では比較的古い宗教だと思います。
関西人なら奈良の天理市があるということもあり、新興宗教の中ではわりと馴染みがある方が多いじゃないでしょうか。それ以外の方なら高校野球でお馴染みの「天理高校」で何となくは知っている人もいるはず。
私が知っていた知識とイメージ
- 宗教都市
- 高校野球
- ラーメン
- 病院
- 黒い法被着て、どんどん騒いでる
- 御神楽歌とかいう呪文みたいな歌
- おぢばかえりとかいうキャンプ
通っていた高校が宗教系だっただけに天理教の人の知り合いとかあまりいません。なので貧相な知識とイメージです。黒い法被着て、太鼓叩いてる人って印象がどうしても強い。
ゴミ拾いをしていたり、ボランティアもよくしているし勧誘もされないのでネガティブなイメージは太鼓がうるさいぐらいしかなかったですね。まあ無害な宗教という感じ。
そして天理ラーメンはおいしい
ほんみち
ほんみちとは:
ほんみちは、1913年に大西愛治郎によって創始された、大阪府高石市に本部を置く新宗教。天理教からの分派。信徒数は約31万8千人
天理教の分派ということもあり、知らない人が多いと思います。
本部が高石市にあることから大阪の泉州地域では、そこそこ知名度はあるかな?
地元では信者以外の人からも「ほ(お)んみちさん」と呼ばれたりしていて、結構親しまれているのかなと感じました。
私の知っていた知識とイメージ
- 泉南市民にやたらいる
- 天理教の分派
- 子沢山
正直よく知らなかったので、こんな知識とイメージしかありませんでした。
でも自転車で道を走っているとやたら「支部」を見かけるので、そこそこ信者はいるんでしょうね。
違いは何か?
「天理教」と「ほんみち」には細かい違いがあるみたいですが、第三者からしたら違いがよくわからんというのが本音。信者の方から見れば違うんでしょうけど、基本的に天理教とやっていることは、だいたい同じだと思っていいはず。(信者の方ごめんなさい)
実際お通夜とお葬式に行った時も、「あれ?これ天理教の儀式?」と思うことが多かったので。
キリスト教徒じゃない人に「カトリック」と「プロテスタント」の違いなんてよくわからないですよね? それと同じだと思います。まあ三大宗教なんで、知識として知っている方は多くなると思いますが。
お通夜とお葬式
前置きが長くなりましたが、ここからが本題。
元上司のお父上が亡くなったと連絡がありました。お世話になったことがあるので職場のひと何人かと一緒に参列しました。といっても結構前の話しです。
※もしかしたら信者の方が読むと不快に思うかもしれないので、先に謝っておきます。
会場の雰囲気
- 会場は教団の所有する建物で行われていた
- 葬儀屋さんより教団のお偉いさんが司会進行などを仕切っている
- 参列者は近所の人や信者の方、私のような職場関係などさまざま
パッと見はごく普通の通夜と葬式です。
よくある仏式とほとんど変わりがないなという印象。信者の人が結構いたみたいですが、見た目じゃわからないので割合とかは不明。
事前のお知らせで「通夜と告別式は神式で行います」とあったので、仏教用語は使わないようにしていましたが、使っている人がいても教団の方は気にしていない様子でした。
通夜と葬式の流れ
お通夜もお葬式も基本的には同じ流れでした。
- 司会の人のあいさつ
- おつとめ
- 御霊移し
最初はどこの葬式でもあるように、来てくれた人にお礼や亡くなった人の生い立ちなどを教団の偉いさんらしき人が語ってくれます。まあ仏教なら式場の人が多いかな?
そのあとに「おつとめ」と言われる儀式がはじまります。このおつとめに少しビビりました。
おつとめは天理教の「御神楽歌」という歌を歌いながら、手踊りを数分間行っていきます。もちろん信者ではない私たちはポカーン状態です。
さっきまで世間話をしていた、おっちゃんおばちゃんたちが
「あしきをはろーてたーすけたーまえ、てーんりおうのみーこーとー」
と、こんな風にいきなり歌い出すんです。しかも曲に合わせて振り付きで。私は内心「え?これみんな出来るの?」と焦りました。
この節を数分間続けると、また違う節に入ります。若干ですが手踊りも変わってたような気がする。
そしてこの御神楽歌は一度聞いたら耳から離れないほどの中毒性を持っています。江戸時代のスルメ曲ですね。
聞きたい人はYoutubeにアップされているので、興味のある方はどうぞ。
まあ結構、有名な歌みたいなので聞いたことある方もいると思います。
神式なので焼香などはなく、玉串奉奠
なぜか日本では葬式をほとんど仏教に支配されています。なので神道式のお葬式を経験したことがある人は意外と少ないはず。(私も経験したことなかったです)
天理教やその分派である「ほんみち」も神道系の宗教なので、焼香はしません。その代わり「玉串奉奠」を行います。あの榊をもらってくるくるするやつです。
玉串奉奠のやり方
- 自分の番が来たら一礼する
- 葉の部分が左手に来るように両手で玉串を受け取る
- 祭壇の前でまた一礼する
- 玉串を時計回りに回して、今度は枝を左手に来るようにして祭壇側へ向ける
- 玉串を祭壇へ置いて、神職や遺族に礼をして戻る
これめっちゃ難しかったです。緊張しました。
ちなみに「ほんみち」ではお葬式のみ玉串奉奠を行いました。お通夜は礼拝のみ。
玉串奉奠の詳しいやり方:玉串拝礼の作法
礼拝のやり方
お参りの仕方は基本的に神社でやるのとほぼ一緒ですが、礼と拍手の回数が違います。
ほんみちでは天理教と同じく、一礼四拍手一拝四拍手一礼でした。
また音を立てない「しのび手」じゃなく、しっかりと音をならしていました。
この辺は、わからなかったら前の人を見ればいいんです。
服装と香典
- 服装はいつもの葬式の恰好で大丈夫
- 数珠はいらない
- 香典は市販の「御仏前」と表記されているものは避ける
- 蓮の花も避けた方が無難
- とりあえず「御霊前」と書けばどの宗教にでも使える
私はいつものようにスーツで参列しました。信者の方を含めてスーツの人が多かったですが、年配の方やお偉いさんは紋付き袴の人も結構いましたね。
香典は市販のものだと「御仏前」とプリントしてあるものが多いので、白紙のものを購入して「御霊前」と書けば無難だと思います。まあ向こうも慣れているのか、仏教式で出しても特に問題なく処理してくれました。
式の雰囲気
全体的に仏教式の通夜や葬式より明るかったです。暗い雰囲気はそれほどありません。
ほんみちや天理教が死に対してどういう解釈をしているのかわかりませんが、それほど暗い雰囲気じゃなかったので神道と同じように亡くなった後は「守り神」になったりするのでしょうか。もしくはキリスト教のように「神のもとへ帰る」という死生観があるのかも。
どちらにせよ信者の方やスタッフがちゃんと説明してくれたり、ほんみちの人以外にも親切に接してくれるので安心して参列することができました。
まとめ
とにかく御神楽歌が強烈過ぎてしばらく頭から離れませんでした。中毒性が高いです。
まああまり経験することはないので、良い勉強になったかなと思います。日本人は宗教を軽く見がちですが文化や道徳にもなる重要なものですからね、良くも悪くも。
皆さん気になっているであろう勧誘とかそういうものは一切ありませんでした。上司にも勧誘されたことはないので、こちらも高校野球でお馴染みのPL教団と同じく布教活動にあんまりやる気がない宗教なのかも。
まったく無関係な人間だけど、そんな状況で新興宗教が運営して行けるの?と思ったりします。
ちなみに私はお婆ちゃんがカトリックなのと、高校がキリスト教系ということもあり、キリスト教とも縁が深いです。お爺ちゃんは仏教・浄土真宗で、父方は真言宗が多いので親戚の葬式は結構大変です。親族シヴィライゼーション状態ですから。
気が向いたらそちらの話しも記事にしていこうかなと思います。はてなが許してくれるなら。